石塚さんから返信いただきマルクスの限界というのにずっと不満があったというのを少し知って、昨日からずっと考えていたのが、マルクスが(あるいはそれを受けた熊野さんが)指摘した「金本位制の歴史的偶然性」、およびMMTにてしばしば出てくる「労働本位制」について。
元より、MMTにおいての、JGPによる労働本位制の実現には大きな疑問を持っていた。いや、JGPは労働本位制の必要条件であることは確かだが、必要条件がそれだけとは到底思えなかったからだ。
そうして疑問を深めて考えることなく2年半ほどなわけだが。
昨日から考えていたのはこの、「労働本位制」のためのJGP以外の必須条件についてだった。普通に考えれば、金本位制が偶然的に選択されそして解体されたその歴史を追うのが常道、ということになろう。現状の私はこれについて特に知識を持たない。
しかしまた、とても頭の悪い言い方をすれば、JGPを実行したところで原油価格の安定には何ら寄与しないだろう。原油のようなコモディティ価格の乱高下が発生する状態はとても労働本位制が実現しているとは言えない。
そう考えれば、労働本位制のためのJGP以外の必須条件として、原油等コモディティの安定供給、ならびにそれらコモディティに対する投機的資金流入の厳格な規制などが挙げられて然るべきだろう。 長らく訝しげに思っていた労働本位制だが、斯様な、JGPのまた別の射程というのがあるように思えた。