徒然MMT[2] - NotionをMacroeconomicsの翻訳ノートに使う!
承前
ちびすけさんに触発されて、購入して読まずにいたMacroeconomicsを読み始めた。
と言っても、kindle版をdeepLで翻訳して読んでいるのだけど、以下では最終的にNotionに翻訳ノートとしてまとめている現在の読み方・まとめ方について記載してみる。
いや、kindleで読めよ、と言われればそれまでなのだけど、ワシの英語力ではkindleそのままでは読み進められないので、翻訳しつつ~語句のチェックしつつ~その過程で内容にもきちんと目を通し~翻訳ノートを作る~という工程を経て読むスタイルに落ち着いた。手を動かしながら読むので、単に読むよりも記憶に残っている感じがする点も良い。
ということで、以下はほとんどMMTは関係ない。
kindle版からNotionに書き起こしを行い、翻訳ノートを作る!
冒頭まとめ
- kindleをPCOTを使ってOCR
- OCR後のテキストをtyporaで開いて読み取りミス訂正。およびmarkdown化
- deepLに流して日本語化
- 内容を読みながら日本語訳もチェック。体裁を整える
- Notionに2段組で記載
- Macroeconomicsの翻訳ノートの完成!
作業詳細
kindleの英文テキストをPCOTを使ってOCR
- 参考記事
- PCOTは以下よりダウンロード
使ったことがある人はわかると思いますが、kindleはコピー制限がかけられていて、一定以上の文字数をコピペするとそれ以上コピーできないようになっています。
ここでPCOTの出番です。PCOTは主にゲーム画面の翻訳に利用されているツールのようですが、スクリーンキャプチャの要領で画面に映っているものならなんでもOCRかつ翻訳することができます。
特に、参考サイトではWindows 10 OCRをインストールして用いていますが、この精度がかなり優秀でkindleの英語のOCR読み取り精度の体感は99.95%といったところです。
細かい設定は参考記事を参照してください。
もちろん、半自動とは言え、kindleのページをめくってPCOTのキャプチャショートカット押下、kindleのページをめくってPCOTのキャプチャショートカット押下…という作業を続けるので、書籍全体をキャプチャとなると少々骨が折れます。ただし、あくまで内容に目を通しながら読み進めた上で翻訳ノートを作成するのが目的なので、ワシは章ごとでの作業を行っています。こうすると1回の翻訳ページ数は多くても20-30ページ程度ですのでそこまで手間ではありません。
1点、追加の注意するとすれば、kindleの機能にある、他のユーザーのマーカーを表示する機能は切っておくのが良いです。OCRの邪魔になってしまいます。
OCR後のテキストをtyporaで開いて読み取りミス訂正。およびmarkdown化
- typoraは以下よりダウンロード可能
- それ以外のmarkdownエディタは以下などを参考に
PCOTはデフォルトではgoogle翻訳してくれますし、また、deepLとも連携してくれますが、ワシはこれを使いません。PCOTはあくまでOCRツールとしてのみ利用します。最終的にNotionでの翻訳ノートを作るという目的に照らして、ワシはここでmarkdownエディタであるtyporaを使ってmarkdown化します。
typoraはワシの単なる好みです。長らくフリーのmarkdownエディタでしたが、現在は有料化($14.99)されているため、何のエディタを使っても構いません。それ以外だと何がいいのかよくわかりませんが、Visal Studio CodeとかAtomとかでしょうか。
markdown化といっても、「#」をつけて見出しにする、「-」をつけてリスト化する、「****」で括って強調、「>」をつけて引用とする、程度のレイアウト編集作業です。typoraではスペルチェック機能も付いていますのでこれも利用しつつ、この段階でOCR読み取りミスも訂正します。
deepLに流して日本語化。内容に目を通しつつ、体裁を整える
体裁を整えたら、markdown化した文章そのままをdeepLに流します。markdown化のために付けた文頭の「#」「-」「>」、文中の「」はほとんどの場合日本語訳でもそのまま出力される=日本語訳もほぼそのままmarkdownとして利用できる、という点がミソです。文中の「」はうまくいかないケースもありますが、そのあたりは後で修正でも構いません。
ワシはこの段階で内容に目を通し、読んでみておかしな翻訳については英英辞書を調べたりなどして適宜修正を加えていきます。deepL上で修正するのは、deepLの単語登録を利用するためです。一旦単語登録すれば、次回以降の翻訳では登録された翻訳が自動適用されます。
Notionに2段組でコピペ
英文、日本語文ともに体裁もほぼ完璧なmarkdownが出来上がったので、これをNotionに貼り付けていきます。markdownを貼り付ければ見出しなどの文章構成はそのまま維持されてNotionに貼り付けられます。さらに、Notionが良かったのは2段組が簡単にできること。マウスでD&Dすることで英日の2段組レイアウトが簡単に作成できます。
なお、マウス操作で1段落ごとにきれいに並べるのはさすがに骨が折れるので、ワシは1小節単位での2段組としています。この程度であればそれほど時間はかかりません。キーボード操作でパパっと2段組ができると嬉しいのですが、現状、Notionではマウス操作のみに対応しています。
ついでに画像も(あくまで個人利用なので)kindle画面を丸ごとキャプチャしてNotionに貼り付けてしまいます。無料プランですと、ファイルサイズ5MBまでの制限はありますが容量制限もないので画像程度なら気軽に貼り付け可能です。
さらに、ブロック単位での強調表示も可能なので、例えば文章途中で挿入されるコラムなどを見やすく表現することも可能です。
以上の操作によって英語、日本語ともにmarkdown化された文章が出来上がりました。
Macroeconomicsの翻訳ノートの完成!
単にkindleで読むよりは相当手間はかかっていますが、完全に自由に編集できてしまう教科書の文章を手に入れることができました。Notionではmarkdownでは表現できない文字色やマーカー(文字の背景色)の設定も可能ですし、範囲選択してコメントを残すこともできます。
また、ちょっとだけ手間なのですが、インライン、ブロック単位ともにtex拡張の数式表示に対応していますので、Notion上でさらに編集すれば非常にきれいに表示される数式を得ることも可能です。
そしてもちろん、文章校正することが目的なのではなく、あくまで読むことが目的での作業だったのですが、ここまでの過程でしっかりと文章に目を通すことができている――むしろ、手を動かしながら読むためなのか、紙媒体やkindleで単に目を通すよりもしっかりと読めているように、個人的には感じるところです。
速度的には、1章だいたい50000-70000文字なのですが、これを読みつつNotionに貼り付けるのに60-90分程度といったところでしょうか。決して早くはないと思いますが、大学の講義で1章ずつ丁寧に読み進めていると考えれば、そんなに悪くないスピードのように考えています。
以上、半日程度試行錯誤して編み出した通読しつつの翻訳ノート作成方法ですが、もっと良い方法やサービスがあるよ!という方がいたら是非教えていただきたいです。